映画『きみの声をとどけたい』の魅力をつたえたい!
本記事は、映画キミコエ Advent Calendar 2018の18日目の記事です。
はじめに
2018年9月17日、好きなアニメについて10分間のプレゼンをするアニメ de ビブリオバトルに参加しました。
僕がプレゼンしたのは、2017年8月に公開され、今でも根強くファンに愛され続けている映画『きみの声をとどけたい』(以下「映画キミコエ」)。
本記事では、発表スライドを1枚ずつ見せながら映画キミコエの魅力をお伝えします。
スライドへのリンクはこちら。 docs.google.com
概要
- マッドハウス制作による劇場アニメーション映画。2017年8月25日に公開。上映時間94分。 湘南を舞台にした女子高生たちの青春を描く劇場用オリジナルアニメーション。“声”をテーマにした、高校生たちが起こす小さな“キセキ”の物語。新世代ヒロインを発掘す.. 続きを読む
- 映画『きみの声をとどけたい』公式サイト kimikoe.com
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映画キミコエの舞台は湘南。もっと細かく言えば「腰越」という町が舞台です。 腰越に隣接する鎌倉高校前は『スラムダンク』で一躍人気スポットに、また近隣の藤沢は今季放送中の『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の舞台となっており、江ノ島周辺はアニメの聖地で溢れていますが、腰越にスポットを当てて舞台となった作品は珍しいです。
ストーリーは女子高生の青春もの。キラキラ輝く7人の姿を見て心が和まされます。
新世代の声優アーティストを発掘する「キミコエ・オーディション」が原点であることもあり、「声」に焦点が当てられていて、その声を活かす「ラジオ」、そして声や言葉がもつ力「コトダマ」がキーワードとなっています。
東北新社が主催する「キミコエ・プロジェクト」は、オーディションで選ばれた新人声優がオリジナルアニメでデビューするという仕組みで、現在第2回のオーディション(男性声優版)が行われています。
「キミコエ・オーディション」第1弾を勝ち抜いた6人は声優ユニット「NOW ON AIR」を結成して活動中。 今月3rdシングルをリリースし着実に成長している真っ最中ですが、デビュー当時はなにぶん新人ということでネームバリューがなく、映画キミコエを売る起爆剤としてはなかなか難しいものでした。
三森すずこさんは『ラブライブ』のμ'sや『けものフレンズ』のキタキツネ役などでお馴染みの人気声優。作中では紫音役を演じ、キミコエ・オーディションでもNOW ON AIRの6人を見守るお姉さん的存在です。
その他、『進撃の巨人』でエレン・イェーガー役を演じた梶裕貴さん、『ドラゴンボール』の孫悟空役など声優界のレジェンド、野沢雅子さんなど豪華声優陣も参加していますが、梶さん演じる大悟は出番が少なく、野沢さん演じるなぎさのおばあちゃんに至っては1シーンしか喋りません。
他にも登場人物はいっぱいいますが、あくまでも主役7人の声がメインであることをご了承ください。
マッドハウスは『パプリカ』『DEATH NOTE』『時をかける少女』『サマーウォーズ』など、代表作を挙げたらきりがないほど名作を送り出しているアニメ制作会社です。 最近注目を集めている『若おかみは小学生!』もマッドハウスが制作しました。
キャラクターデザインは青木俊直さん(キャラクター原案)と高野綾さん(アニメーションキャラクターデザイン)。
映画キミコエの魅力
個人的なアニメの好みで、無理ない程度のファンタジーが好物なのと、子供ごころを忘れないピュアな性格のキャラが好きなので、映画キミコエの雰囲気は僕の好みにぴったりでした。
そして、切ない恋愛できゅんとさせるでもなく、人を死なせてお涙頂戴でもなく、とにかくあくどくないのです!!!
ただ、恋愛要素がないのは特に女性にとっては物足りないでしょうし、派手なシーンや波紋を呼ぶようなシーンといったのもないので、バズ要因となるようなものがなく、そこが注目を浴びなかった一因なのかもしれません。
そんな「バズらなかった」映画キミコエですが、評価はとても高いのです。
サイトにもよりますが、Yahoo!映画では星4.01を獲得しており(発表当時)、商業上映232日のロングランとなったのは根強いファンがいるからでしょう。
実際、劇場に60回以上足を運んだファンもいます。
私も、60回とまではいかないまでも、劇場で何度も観ています。 (これまで映画館で映画を2回以上観るという経験がなかったので、自分でもびっくりしています。)
「コトダマ」にはよいコトダマと悪いコトダマがあります。
夢や目標などを口にすることはいいことです。単なる願掛けだけではなく、周りの人に「こういう人間になりたい」「こういう事を実現したい」などと打ち明けると、アドバイスをもらえたり、ふとしたタイミングで「あの人に頼んでみよう」などと思い出してくれたりして、現実になる足がかりとなるのです。
逆に、人の悪口などを口に出すのは、言葉のネガティブな部分が自意識にも影響して自分自身に悪影響を及ぼしてしまいます。
作中では「コトダマ」という実体で因果が描かれていますが、理論的に突き詰めればちゃんと説明付けられるはずです。
このように、コトダマはあながち空想のものと言い切れません。
「コトダマが見える」ということはファンタジー要素ですが、「コトダマによる奇跡」への道筋は「頑張ること」「信じ続けること」といった真っ当な教訓によって成り立っています。
主役の女子高生7人はキャラ立ちがよく、主人公のなぎさの天然キャラや、物語上都合のよい、ラジオに詳しいあやめと曲をなんでも作れちゃう乙葉など個性が強いながら王道を行っているところがあり、「ボーイッシュ」「メガネっ子」「ヲタキャラ」といったファンを惹き付けやすいキャラも揃ってます。
小説キミコエ
映画公開後、映画キミコエの小説版も児童書として書き下ろされました。
小説を書かれたのが脚本の石川学さん、そして挿絵を描かれたのがキャラクターデザイン(原案)の青木俊直さん。 映画キミコエを公開後も支え続け、小さなイベントにもよく顔を出してくれるお二人の「原石」といえるような作品です。
注目!
これは映画を劇場で何度も観ている過程で「色」に注目して鑑賞したときに発見したことなのですが、主要キャラ7人の瞳の下の部分の色が一人ひとり塗り分けられているのです!髪の色が一人ひとり違うのはアニメでありがちですが、キャラ識別のためでもなく目の色が塗り分けられているというのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
色はキャラクターカラーというわけではなさそうで、どういった意図で色を割り当てているのかはよくわかりませんが、細部までのこだわりが伺えます。
同じく劇場で、あるとき「眼鏡を外して音に注意を傾ける」という鑑賞をしたのですが、BGMも何もないと思えるシーンでも、よく聞くと足音だったり服が擦れる音だったり、キャラクターの動きに合わせて細かく付けられているのです!
映像だけでなく、音へのこだわりも感じられます。
ファンとの関係
キミコエ・オーディション企画プロデューサーの久保享さんが発起人となって、ファンなら誰でも「日ノ坂町民」(なぎさたちが住む町の住人)を名乗れるという企画が生まれ、それが発展してBlu-ray特典の「日ノ坂町民名簿」にファンの名前が掲載されました。
【拡散希望】#映画キミコエ 応援企画「映画を観てくれたみんな日ノ坂町民」大作戦を開始致します。いつも応援下さる皆様を日ノ坂町の人達として町民名簿を作ります。名前と町で何をしている人的一行設定と共に #日ノ坂町民 を付けてツイート下さい。「なぎさ達とあの町で生きよう」とどけコトダマ
— 久保 亨 (@kubotoru_chrono) October 7, 2017
僕も、「コトダマの不思議に迫る研究者」という架空のキャラクターとして掲載されています!
映画キミコエが公開されて、イベントがある毎に顔見知りは増えていくのですが、ある時からファン同士の交流が生まれ始め、「オフ会をやろう」という流れに。ささやかな交流会になるはずが、スタッフさんも参加していただけることになり、第2回目のオフ会では5人ものスタッフさんを巻き込んでの盛会になりました。
再び盛り上がりを見せる中、1月12日(土)に第3回のオフ会「日ノ坂町民会」が行われます📣
ちなみに12日はお年玉アンコール上映の一環で、服部優太プロデューサーによるティーチインも行われます📣
☆マッドハウス プロデューサーティーチイン開催☆
— Madhouse Inc. (@Madhouse_News) 2018年12月12日
1/12(土)in #下北沢トリウッド
『#きみの声をとどけたい 』服部優太P
『#若おかみは小学生! 』豊田智紀P
プロデューサーならではの視点で作品について語ります!
春の屋の特製ハンドタオルの販売もありますよ♪
この機会をお見逃しなく! https://t.co/YdIe2aK1vX
好きすぎて・・・
この記事を書いている私は一体何者か・・・というと、本職はプログラマ、趣味はアマチュア研究というマニアックな人間です。
日ノ坂町民としても「コトダマの不思議に迫る研究者」をやっているのですが、趣味が高じて実際コトダマを可視化するプログラムを書き、論文まで書いてしまいました。
岩淵 勇樹, 小松原 宏識, 西田 涼麻, 中丸 潤 「コトダマの可視化に関する一手法」, インタラクション2018
そんな私が、さらに好きすぎて舞台である腰越(湘南・鎌倉)に引っ越してしまいました。 詳しくは先日書いたブログ記事を参照。
おわりに
今、家庭で映画キミコエを鑑賞するには円盤かGYAO!しか選択肢がないのが現状ですが、気になった方はぜひご覧ください!1月間に合うならぜひ劇場で!!!
結果
約10件のプレゼンの中、一番観たくなったアニメを投票し「チャンプアニメ」が選出されたのですが、なんと映画キミコエの本プレゼンが「チャンプアニメ」に選ばれました!!!
僕の好きすぎる熱い想いが伝わったのもありますが、やはり映画キミコエの潜在的な魅力は底知れないのだと実感しました。
実際、アニメ de ビブリオバトルの参加者にも観てもらって、感動の声をいただいております。
感想
映画キミコエは作品として完成度が高いのですが、未だに認知率が低いのが現状です。 正直僕が熱心に布教して逆にイメージを下げるのではないかと億劫になることもしばしばありますが、これだけ素晴らしい作品が世に知られていないのは非常に残念なので、とにかくより多くの人に届いてほしいという願いがあります。コトダマコトダマ。
宣伝
記事内でも少し触れましたが、1月4日(金)〜14日(月祝)にトリウッドにて再上映されます📣
そして1月12日(土)に第3回のオフ会「日ノ坂町民会」が行われます📣
12日は服部優太プロデューサーによるティーチインも行われますので、こちらもお見逃しなく!
☆マッドハウス プロデューサーティーチイン開催☆
— Madhouse Inc. (@Madhouse_News) 2018年12月12日
1/12(土)in #下北沢トリウッド
『#きみの声をとどけたい 』服部優太P
『#若おかみは小学生! 』豊田智紀P
プロデューサーならではの視点で作品について語ります!
春の屋の特製ハンドタオルの販売もありますよ♪
この機会をお見逃しなく! https://t.co/YdIe2aK1vX